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マイケル・ムーア監督の「Fahrenheit 911」

昨日誓った通りに、頑張って「MUSASHI」を読み始めてみた。

1時間ちょっと格闘した挙句、読めたのは何と本編の前の「始めによせて」の部分だけやっぱり結構時間かかりそうです。でもこの前書き(とは言わないかな)、ライシャワーさんが書いていてとっても読みがいがあった。この本を日本版「Gone with the wind(風と共に去りぬ)」と評している。本編が楽しみだ。

ところで、昨日のブログにも書いた英会話の先生は、以前「おくりびと」のDVDをクラスのメンバーに貸してくれたが、あるひとりのメンバー(その子は教師をしている)が「先週すごく忙しく、日曜の夜しか見る時間がなく、テレビでやっていた『レッドクリフ』をあきらめて『おくりびと』を見た。でもそれは正解でした!」と発言したところ、何と翌週に「レッドクリフ」のDVDをクラスに持ってきたのだ。その子に見せてあげる為に

そしてまたDVDの回覧が始まり、とうとう私の元に順番が回ってきた。するとDVDは何と3枚。「レッドクリフ」と共に、先生お勧めの別の映画が・・・。

1本は「Fahrenheit 911(華氏911)」、そしてもう1本は「New York New York」。

時代もジャンルも全然違う作品のチョイス。でも自分ではレンタルショップ行っても借りないかなーという作品を観てみるのもまた面白いし。頑張って3本とも観る。

もう「Fahrenheit 911」が断然面白かった。監督:マイケル・ムーア、主演(?):ジョージ・W・ブッシュ。記憶が少し薄れていたけれど、見始めて思い出した。

数年前、カンヌ映画祭で受賞をし、そしてアメリカのラジー賞(アカデミー賞当日に開催される最悪賞)でブッシュ大統領が主演男優賞を受賞しちゃった(もちろん授賞式は欠席)というあの話題作だ。

約2時間の作品なのだが、前半は主に「アメリカ史上最も残念な大統領」としてのブッシュ氏の色々な発言・行動をナレーションで風刺していく。

9/11テロ発生を予感させるような実行犯のアメリカ入国の記録辺りから始まり、CIAからテロ発生の兆候という情報を真面目に取り上げないお粗末な政府。

それらの映像と並行して、9/11直前位からのブッシュ大統領の色々な能天気インタビューや、テロ当日の映像(小学校を訪問していた)、そしてその後のお粗末な対応、急にイラク攻撃を始め、戦争オタクぶりを発揮する様子まで、まあヒトの国ながら、観ていて情けなくなる。

例えば、夏休みが異常に長く、ホワイトハウスよりもゴルフ場が大好き故、グリーン上でのインタビューはいつも子供のようなブッシュ、テロ発生の一報が耳打ちされた時も、どうしていいかわからず、子供達と一緒に「私のヤギさん」(絵本)を7分間も読み続けてしまうという頼りなさ。この面白映像とでも言うべきアメリカ国大統領の幼稚さを、きわめて真面目なナレーションと、絶妙な映像のつなぎ合わせ方で苦笑いを通り越し、大笑いしてしまうのだ

でも途中から、ブッシュ一族とサウジアラビア、そしてアルカイダとの深くて表に出ない密接な関係(もちろんお金絡み)や、ビン・ラディン(サウジのお金持ち)を追わない為に突然イラクを標的に仕立て上げてしまう経緯が次々と暴かれていくあたりから、ドキュメンタリー番組を観ているような感覚に引き込まれていく。

なんかいままでの自分の理解と全然違うじゃん、報道でどこまでホントのこと伝えてたんだろう?といやな汗が出てくる。

更には、イラクへ派兵され命を落とした唯一の少年兵のお母さんへのインタビューや、イラクで家族を黒焦げにされた民間人の生の声。

それに加えて戦闘ゲームでも楽しむように有頂点気味なアメリカの若い兵士と、人を殺す事で神経がおかしくなってしまいそうな別の若い兵士のインタビューなどもあり、私は一体ニュースや新聞でどれだけ本物の情報を得ていたんだろうかと考え込んでしまった。

最後の方に、ムーア監督自ら、ワシントンの上院前の歩道で、歩いている議員を捕まえては「本当にこのイラク攻撃が正しいと思っているなら、貴方の子供を軍隊へ」とパンフレットを渡そうとするのだが、その時の議員達のあせった顔。

議場でテロへの報復だと声高に叫び、ずるずると続けているイラク派兵と、自分自身は全くの別のものなのだ。自分だけはいつも安全で関係ないところに暮らしているであれば、戦争、どうぞどうぞ、という無責任な国民の代表達。

もちろん、ムーア監督の編集したものを、そのまま受け止めるかどうかは観る側にも慎重さが必要だが、これを観たアメリカ人は心底母国に失望したのではないかと気の毒にさえ思ってしまう。

そして今年誕生した新しい大統領に、あれだけ大きな期待が寄せられる理由が更によくわかった気がする。

そうそう、他の2本、「レッドクリフ」は金城武がとっても素敵で、「New York・・」はロバート・デニーロが若くて痩せているわ~・・・という感想です。

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コメント

「MUSASHI」の英訳を読破しようなんて、すご~い!!
きっと先生はソックスモンキーさんのことを「あなたなら読める」と思われたのでしょうね
ただただ、頭が下がりますm(__)m
それにしても、とっても素敵な先生ですね

「華氏911」まだ観てないんですよね~!
観よう、観ようと思いながらも今に至ってました・・・
なんとなく、ショックを受けそうな気がして・・・
でも、ソックスモンキーさんの感想読んでいたら、よし今度は借りてみよう!という気になりました

投稿: acco | 2009年5月27日 (水) 13時57分

「華氏911」、私の場合なんとなく食わず嫌いして、まだ観てなかったんです
‘真実’ってどこにあるんだろって、感じることが多いですよね。
新聞は‘事実’であるはずだけど、その奥にある‘真実’を正しく知って理解するのは難しいなぁ。
なるだけリベラルでいたいと思うのだけど、マスコミに振り回され偏った考えに傾くこともしばしばで…
私もDVD借りてみようかな

投稿: おけいはん | 2009年5月28日 (木) 15時51分

accoさん、こんにちわ!
「MUSASHI」は1日5ページ位が限界みたいです。単語がやっぱり難しくて(やっぱり武士関係の単語が出てくるのです)。1年かかりそうですが頑張ります~。
「華氏911」は、そんなに気張って見なくても、ニュースで見たあの9.11テロ~イラク戦争を、もう一度振り返ってみるきっかけになると思いますし、何といってもブッシュ氏の事を、ほんとになんだったんだあの人は~と思います

投稿: ソックスモンキー | 2009年5月29日 (金) 12時26分

おけいはんさん、こんにちわ!
「華氏911」をどう捉えるかは、本当に見る人ごとにさまざまだと思いますね。でもおけいはんさんやaccoさん、色々な人の感想を聞いてみたい映画です。
事前に自分が持ってたイメージよりは、偏ったものではなく、私のようにテレビ・新聞程度の知識しかない人が観て、9,.11テロが結局なんだったのか、裏にはいろんな事が渦巻いてるんだ、と知り、考えさせられましたBGMやちょっとした映像は笑いのセンス満載です。

投稿: ソックスモンキー | 2009年5月29日 (金) 12時39分

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