森 絵都「風に舞いあがるビニールシート」
昨日はちょっと憂鬱な感じの雨でしたね![]()
今日は雨も上がり、まだ快晴とまではいかないけれど、すっきりとした気持のよい空気![]()
それに朝のテレビでは、SMAPの草なぎ君が爽やかな復帰会見をしていて、汗びっしょりな額を見て「頑張れよー」と母の気持になった![]()
ところで数日前に読み終えたところだった本「風に舞い上がるビニールシート」。なんだかすごくタイムリーなタイミングで読んだみたい![]()
森絵都さんは、以前から気になっていた作家なのだが、図書館ではいつもオール貸し出し中のことが多かったし、初めて読むならキョンキョンもお勧めの「ラン」からかなあ、なんてうっすらと思っていた為、なかなか近づくことができなかった。
2週間位前、図書館(ここは県立で、予約ができない)に行ったら偶然「風に舞い上がる・・・」だけが棚にあるのを見つけ、「おっ、知らない作品だけど借りちゃお」と借りてきたのだった。
最近NHKは番組をきっちり時間いっぱいやらず、合間に番宣ばっかり流すのが気にくわないのだけれど、今週NHKを見ていたら、何とさっき読み終わったこの作品が土曜日からドラマとして始まるって・・・すごい偶然にびっくり![]()
それにこの本って直木賞もとってるんですね。読み終わってから知ったけれど、確かに良い本だと思った![]()
この本には、6つの短編が収められていて、表題のお話しは最後の1作品だ。私と同世代の女性作家は、やはり同世代の女性を主人公にしている作品が多いように感じるので、この6作品もそれぞれ女性が主人公?と思ったらそうではなかった。
超人気女性パティシエのアシスタントとして振り回されている女性が岐阜に焼き物を探しに行き、人生の方向転換の舵を切ってしまう話。
捨て犬救済ボランティアの資金稼ぎの為にスナックで働く普通の主婦の話。
フリーターをしながら夜間大学に通う男性と、課題代筆の神様と呼ばれる謎の女性の話。
仏像彫刻を志半ばで挫折し、仏像修復を仕事にしていた50代の男性が、ある仏像と自分との因縁を振り返る話。
取引先の若い営業マンとクレーム処理の為、同行し、世代間ギャップを感じていたはずが世代を超えた絆を生んでしまう話。
そして表題の作品は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に転職した女性が、フィールド(現地での支援活動)に命をかけているアメリカ人男性と出あった事により、大きな幸福感と、絶望感を味わい、それを乗り越えようとする話し。
どれもこれも少し切なくて、でも登場人物にエールを送りたくなってしまうような話しばかり。そして何といっても素晴らしいのは、それぞれに各分野(美濃焼きとか、仏像彫刻とか、UNHCRとか)のすごく専門的な知識をきちんと取材されているので(推測ですが)、登場人物達が立っているその現場の記述にとてもリアル感があることだ。
「風に舞い上がるビニールシート」では、主人公が出会う男性・エドが「世界には、強い風が吹いたら軽々と吹き飛ばされていくビニールシートのような弱い人々の命やささやかな幸福がたくさんある。それは誰かが手をさしのばして支えてあげなければならない。でもおさえてもおさえても、世界中に空を真っ黒にぬりつぶす程のビニールシートがあるんだよ。」というような事を、主人公の里佳に言うシーンが出てくる。
アフガンなどの「フィールド」で活動する事に人生を捧げる男性と、自分の愛で彼に癒しの場を作ってあげようと努力する女性。
それぞれに精一杯の情熱を注ぎ込む二人共、お互いにぶつけあう言葉がはに溢れていて間違っていないのだが、自分自身の幸せあっての仕事(支援活動)、という女性と、殆どキリストの様に奉仕のみに命を捧げる男性の愛はやはり方向性が違いすぎるのだ。
後半、里佳がどのように悲しみを乗り越えていくのか、もう一気に読まないといられない感じだった。
もう残り数ページになった数日前、銀行に行く用があったのだが、行ったあとに速攻で近所のマクドナルトに飛び込み、一気に最後まで読んでしまった。
そして最後を読んだ時、じわっと涙が出た
外で読んで失敗だったわ・・と思う気持と、いいエンディングだな、という感想が変わる変わる湧いてきた。
森絵都さん、もっとたくさんの作品を読んでみたいと思う。
<読書のお供>
紅茶を飲むときは、こんなカップを使っています。蓋をしてしばらく置いて・・。
蓋をとって逆さまに置くと、ストレーナーを置く台になるんです。便利
ガラスのカップもおしゃれな感じ![]()
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