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受け継いでいかなければならない大切な想い

昨夜の報道ステーションの中で、広島・長崎の両方の地で被爆したというすさまじい人生を送ってこられた山口彊(つとむ)さんのことが伝えられていた。

お正月明けの新聞にも、二重被爆者が亡くなった、という記事が載っていたのだが、この短い時間に凝縮された山口さんの後年の様子の映像を見ただけでこみ上げてくるものがあった。

普通のサラリーマンであった山口さんがたまたま出張で来ていた広島で被爆、命からがら戻った長崎で3日後に被爆。しかも広島での原爆の様子を上司に説明している最中に・・・。こんな事ってあるだろうか。

現実の生活では白血球の減少や左耳の聴力を失うなどの苦痛と戦いながら、戦後の日本を頑張って生きてこられた普通の会社員であった山口さん。
この普通の人を震い立たせ、90歳にして初めてのパスポートを手に、国連で核廃絶を訴えるという行動までさせたのは息子さんの急死。

生後5ヶ月で被爆した息子さんが、59年間何もなく生きてきたのに、突然全身ガンに侵されあっという間に亡くなってしまったのだと顔をゆがめて話す山口さん。被爆した自分達こそ頑張って長く生きるべきなんだ、とずっと息子に言ってきたのに、と。
被爆者の家族は、このように体の中に得体の知れない爆弾をかかえている事をひた隠し、家族内でお互いに長く生きよう、と励ましあってきたから故、子が親より長く生きられないという事は本当に辛く、残酷な事なのだろう。

報道ステーションでは、4年位前に松岡修造が山口さんに会いに行った時のインタビューの映像を織り交ぜていたが、広島の川に立ち、涙をこらえるように顔をゆがめながら、「この川面にたくさんの亡くなった人が浮いていて人の筏のようになっていたんです。その川を私は人をかきわけて渡らなければ、長崎に帰れなかったんです。」と話していた。昨日見たかのように辛そうな表情だ。
そして90歳でニューヨークの街を(国連に行く為)歩いている山口さんは、杖をつきながらもしっかりした足取りで、平和を目指して歩いているように見えた。

びっくりしたのは、山口さんが長崎にやってきたアメリカの高校生への原爆の説明や、ジェームス・キャメロン監督がお見舞いに来た時に、英語で話していたことだった。
これは直接自分の言葉で気持を伝えるわけだから説得力がある。

渡航歴がないとの事なので、いつどこで英語を習得したのかわからないけれど、93歳の日本人が病床で、しかも英語で「自分の役目は終わりだ、平和の心を貴方達が受け継いでください」としっかりキャメロン監督に伝えたのだ。「I have done my duty」と口が動いていた。監督は必ず山口さんの期待を裏切らないものを完成させる、と懸命に手を握っていた。
彼らはその時、国を越えて平和のバトンを引き継いだように見えたのだが、どうなのだろう?

私も勉強不足なのだと思うが、やはり景気・経済・政治ばかりに目をむけがちで、時々平和そのものについて考える事を忘れてしまう。
たまたま昨日この番組を観てハッとなったが、やはり今のことばかりでなく、自分の国の暗い歴史の事を忘れてはいけないのだ。

ちゃんと歴史を受け止め、平和を願う心を引き継ぎ、次世代につないでいかれる位でないと、ちゃんとした大人とはいえないですね。

最後に古舘さんが言っていた「天国で久々に息子さんにお会いできているといいですね」というコメント、私も同感でした。

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コメント

こんばんは。
この日本で平和な暮らしを送ってるいま、戦争や悲惨な体験を受け継ぎ、感じ、考えながら、自分なりに後世に伝えていかなければならないですね。
「命の重さ」というものについて。
なんだか一杯コメントしたいことがあるのに、だめですねぇ。うまく書けないです。
山口さんとご子息そして全ての原爆の犠牲者の方々にご冥福をお祈りしたいと思います。


投稿: おけいはん | 2010年1月17日 (日) 21時51分

おけいはんさん、コメントありがとうございます
この手の話題は、自分の思いを言葉にして伝える機会が日頃少なく、どう言っていいか難しいですね。
戦前・戦中生まれの人達が、徐々にお亡くなりになって、平和や命の大切さを訴える人達がだんだん減っていくことを思うと、こういった番組こそ大いに語り部になって欲しいと思うのです。画面で見るのと紙面で読むのとではインパクトが違いますからね。

投稿: ソックスモンキー | 2010年1月21日 (木) 17時17分

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