« ハワイの休日2010・その6(たぶん) | トップページ | 見習いたい二人。「JULIE&JULIA」 »

アルゼンチン映画「オリンダのリストランテ」

立て続けにDVDで映画を観た。

ハワイの帰り便で、時差ボケ対策の為に必死で映画を見たのだが、洋画でこれといったものがなく日本映画の「告白」「RAILWAY」、そしてせめてヒアリングの練習を、と英語で観た「SATC2」。

これではちゃんとした映画も観たくなるっつうもんです

まずは前々から観ようリストにいれていた「オリンダのリストランテ」というアルゼンチン映画を。
アルゼンチン映画自体始めてだったし、小作品だからいつ劇場公開したのかも知らなかった作品。
でもこれ、意外に大人の女性がひとりで観るのにすごくいい作品だと思うのだ。

ブエノスアイレスでひとりで食堂を営むちょっと不機嫌なオリンダという女性と、ドイツからあるアルゼンチン女性に会いにやってきたドイツ人青年のちょっと不思議でしんみりしてしまうストーリー。

観る側としては、人生の倦怠期に入りつつある女性・オリンダに感情移入してしまうので、毎日自分の料理を無関心そうに食べる常連客達やしょっちゅう失敗をするやややる気のない従業員の男の子にイライラしながらの生活に思わず「ハァ~」とため息をつきたい気分になる。
そこへ1年以上前に会った女性の写真(といってもスピード写真みたいなもの)と住所だけ持って「この人に会いたい」と必死に探しまわっている長身で青い目で色白のドイツ青年・ペーターの面倒を偶然みることになる、という展開なのだ。

でもこの作品のいいところは、劇的な再会や、オリンダとペーターとが親子のような関係になっていく、とかそんなドラマチックな仕掛けがないところ。

監督はアルゼンチンの人たちを、人に対して愛想がなく、怒っているような口の聞き方をする人が多いが、実は不器用なだけで、相手の事をすごく気にかけてしまう情に厚い人たち、という風に描いている。

オリンダもまさにその筆頭で、笑顔も少なくいつも嫌味をいいながらも、遅くなっても帰ってこないペーターを心配したり、せっせと食事を作ってあげたりするものだから、あっという間にペーターはブエノスアイレスに慣れてしまうのだ。

ストーリーをどうこう、というよりは、ひとつひとつのシーンや登場人物のちょっとしたしぐさに度々微笑んでしまう流れの中で、もうひとつ考えさせられたのは移民のことについて。

日本に住んでいると、移民についてあまり現実感を持つ事ができないし、正直南米への移民というと「大昔にブラジルへ船で開拓民として行った人達とか?」なんていう薄っぺらいイメージしか言えない。

ドイツから来たペーターは、移民ではないが、いわゆる「異邦人」として存在することでオリンダに「自分がイタリアから来た移民である」ことを思いださせる。

それも恋人を追って。その恋人と別れてしまった後もそのまま移民としてアルゼンチンで生きてきたのだ。一度も帰ることなく。

ずっと故郷に帰ってみたいと思う心を封印してきたオリンダと、ベルリンの壁崩壊により東ドイツでの平穏な生活に変化が起こり、いまはドイツを出れば何かが変わる、と信じて飛び出してきたペーター。

二人とも故郷を捨ててもいい、と表面的にはふるまっていながら、本当は故郷をどう思っているのか、最後の方にしんみり話すシーンはぐっときた。

こういう人達はきっと世界中にいるのだ。

最後の思い切った行動に、人生にもう歳だから、とかいまさら、なんて事はないんだなあ、と思わせてくれるオリンダ。

昔は綺麗でもてただろうなあ、と皆が言うだろうぽっちゃりした食堂のおばちゃんを演じたこの女優さん、相当魅力的だった。

そしてやっぱりカタコトでもその国の言葉で会話するって、一気に相手との距離を縮めるのだなあ・・・・と痛感させられたのだった。
ペーターのスペイン語(だったかな)、後半うまくなっていくのがかなり「らしい」感じだったもの。

51d2japz57l

|

« ハワイの休日2010・その6(たぶん) | トップページ | 見習いたい二人。「JULIE&JULIA」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アルゼンチン映画「オリンダのリストランテ」:

« ハワイの休日2010・その6(たぶん) | トップページ | 見習いたい二人。「JULIE&JULIA」 »