« がんばれ日本! | トップページ | 火事場のユーモア »

「英国王のスピーチ」

あの日から12日。
気持ちが軽くなることはないけれど、自分よもっとしっかりしろと自分のお尻をペシっとたたいているところ。
先週はずっと胃の調子が悪く、何か食べるとお腹がずんと痛くなり、もちろん食欲もないし、でも他の風邪症状は全くないし・・・と中途半端な体調だった。
更に毎晩毎晩見るのは恐い夢ばかりで、寝不足の状態が続いたのも関係あるのかも。

私なんて被災地とは遠い場所で呑気に暮らしてるだけなのに体調不良を訴えるなんて何とも情けない話だ

深く後悔しすぎるとまた胃にくるので、今日はちょっとむりむり映画の感想など書こうと思う。
気分転換もひとつの薬なのだ

今年度のアカデミー賞で話題になった「英国王のスピーチ」。
もしアカデミー賞と縁がなかったとしたらミニシネマで上映されてたかもしれない、という位淡々とした大人の作品だ。

主演のコリン・ファースは、私のイメージとしては「ブリジット・ジョーンズの日記」での「お母さんが編んだトナカイのセーターをクリスマスパーティーで着ちゃう」生真面目なお見合い相手。
実際にはそれ以外にもたくさんの作品で多様な活躍をしてきた大俳優さんなのだそうだ。今回のヨーク公(後のジョージ6世)は、まさにそんなコリン以外の誰にも演じられなかったんじゃないかと思えるほど素晴らしい適役だった。
よくテレビで見た映画の予告では、吃音に悩む英国王の一世一代のスピーチは成功するのか?という部分が強調されているが、吃音というのは彼のたくさんあるコンプレックスのほんのひとつ。
元々王様になる予定のなかった次男のヨーク公は、王室の高貴さを持ってはいるが、自信のない自分にいつもちょっと困ったような表情をしている。
静かなストーリ展開の中で、王室の一員として生まれながら、兄が王位継承者であることから、どんな虐待やコンプレックスも誰にも言わず耐えて育ったということがわかってくる。
そんな生い立ちが彼の口から語られ、さすがイギリス・・日本ではあり得ないなあ・・などと驚く。

それもおそらく妻にさえ吐露せずにいた自分の「我慢の人生」を、一般市民のオーストラリア人(言語矯正士)に思わず告げてしまうところに、普通の人間なのに可哀想だったなあ・・と思ってしまうのだ。

コリン・ファースのインタビューによると、映画とはいえ主人公の親族(=もちろん娘のエリザベス女王達のこと)の方たちを傷つけないように演じようと思ったとの事だが、傷つけないどころか、ヨーク公のお父さんとしての顔、心の内に秘めた正義感が時々垣間見られるところなど、むしろ魅力のほうが大きく感じられ、世界史にうとい私ですらイギリスの近代歴史をもっと知りたい・・などと思ってしまうほどだった。

本来あり得ないだろう元植民地(オーストラリア)からやってきた一般人と王との深い友情もさることながら、一緒に観た友達と口をそろえて賞賛したのは妻の度量の深さ。
こんなに夫を信じ、夫を守り、表だってではないが王族とは思えない庶民感覚で夫のコンプレックスを解消させようと動くその行動力。

そしてイギリス人独特の物静かな高貴さに、この人たちは国王夫妻なんだなとわかるのだけれど、一方で二人でいるときは普通の夫婦の会話するところが人間らしくてとても素敵。

まだ小さい長女も、将来のエリザベス女王を彷彿させる凛とした雰囲気がちょっと表現されていたりするのもいい感じだ

ストーリー展開が予想通りで単調といわれることもあるこの作品、何を汲み取るかは観る人次第、という感じがする。

色々な国に色々な歴史があり、その歴史には驚くようなエピソードが実にたくさんあるのだ。
英国王がヒトラーのスピーチの仕方を上手いと言ったとは、チャーチルだって吃音に悩んでたことがあるとは・・・監督・脚本も実にお見事。

それにしてもコリン・ファース。
吃音を治すために必死になりすぎて、とんでもない放送禁止用語を叫びながら織り交ぜながら発声練習をするところがあまりにも笑える演技
こういう品のいい笑い、大好きです

165


|

« がんばれ日本! | トップページ | 火事場のユーモア »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは♪
大震災以来、私も何かしなきゃでも何も手につかない、知らない間に落ち込んでしまう…というどうにもならない情けない状態で過ごしてしまってました
その間もソックスモンキーさんの記事を読ませて頂きながら、私も何か自分なりに発信しなきゃいけないと考え、力をもらいながら何とか今日に至る…です。
(何一つ被災していないくせに!ですよね

「英国王のスピーチ」。私も観ました!
先々週の出来事なのに、随分前のことのようです
コリン・ファース演じるヨーク公、とても好演でしたね。
トナカイ柄のセーターや「マンマ・ミーア」でしなやかに歌う姿も素敵でしたし。
奥深い眼差しに今後も注目ですね
そして、奥方役のヘレナ・ボナム・カーターが、またいい!!!
『眺めのいい部屋』という作品が大好きで、久しぶりのヘレナもいい感じに歳を重ねていて…。
ヨーク公をさりげなくも懸命に支える妻役がピッタリでした。
よい夫婦、暖かな家族の風景に心温まるものがありました

投稿: おけいはん | 2011年3月22日 (火) 22時07分

おけいはんさん、こんにちわ!
おけいはんさんもご覧になったんですね
3月は結構観たい映画がたくさん、と思っていたのですが、そう思ってた事自体忘れてしまうほど、今は災害のことで頭がいっぱいという毎日でした。
この作品でコリン・ファースへの印象が一気にUPどちらかというとヒュー・グラント派だったのですが
妻役のヘレナ・ボナム・カーターも本当に素敵でした。「眺めのいい部屋」タイトルしか知らない作品・・・是非見てみます!ありがとうございます

投稿: ソックスモンキー | 2011年3月24日 (木) 14時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「英国王のスピーチ」:

« がんばれ日本! | トップページ | 火事場のユーモア »