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『最強のふたり』

今朝は早めに家を出て映画館へ。
ちょうど隣の市の図書館へ本を返しに行かなきゃいけなかったから、ついでにシネコンで朝いちから映画をみようかと
しかし9時に映画館についたのに、すごく混んでいてびっくりだった。
レディスDayだからだけではなさそう・・・もしかして例の「踊る・・・」の効果?
自動発券機が10台くらい並んでいるけれど、何十人も並んでるよー
10分位行列して何とか間に合った今日の映画は『最強のふたり』。
どうしてこう邦題は全然違っちゃうのといつも思うんだけど・・・原題は『Intouchables』。英題では『Untouchable』。コッポラのではないですよー。
同じ映画館で『夢見るふたり』もやっているのでまぎらわしいのだが(こちらは松さんとサダヲさん)、『最強のふたり』の方はフランス映画。
何となくいい映画な予感がして観にいってみたのだけれど・・・まあなんと勘のいいこと今日は自分を褒めたいっ。
以前ここにも書いたイタリア映画『人生ここにあり!』に次ぐ、いやそれを越えるかも、の大好き映画になった
主人公は、事故で首から足先までほぼ全身不随になってしまった車椅子の大富豪・フィリップと、スラム街出身で失業中の黒人男性ドリスという正反対の二人。

そしてこの役を演じる俳優さんももちろん全く知らない人たちで、フィリップを演じるフランソワ・クリュゼはハンサムなダスティン・ホフマンという感じ。品のある笑顔が素敵だが、体が動かない演技がうますぎてフィリップそのものにしか見えない。
そしてドリスを演じるオマール・シーはさしずめフランスのウィル・スミスといった印象。実際俳優でありコメディアンでもあるのだそうだ。二人とも演技が自然で、チャーミングで、とっても魅力的な俳優さんだった
パラグライダーの事故で、首から上(つまり顔)以外は動かない状態になってしまった裕福な男性フィリップは、毎日マッサージから入浴、秘書業務、コックさんとたくさんのスタッフを雇い、貴族の屋敷のような自宅が高級介護施設状態となっているのだが、身の回りの世話をする男性補助者がいつも1週間持たないで辞めてしまう、というハードな要介護者であるらしい。

事故後に妻を病気で亡くし、養子の娘もグレていて、豪華なお屋敷に何か寂しい雰囲気が流れている・・・という。

みな大富豪に雇ってもらおうと新しい補助者の募集には大行列ができるのだが、面接で口にするのは「人を助けたい」「いい事をしたい」「障害者の役に立ちたい」とキレイごとばかり。
しかしドリスは、全くやる気がなくとにかく求職活動3回したというサインが揃えば失業保険がもらえるから(日本と一緒だね)サインだけよろしく、という態度の悪い青年。

でも面接でフィリップと会話し、「あまりにも相手の事を障害者だと思ってない」失礼な口の聞き方を気にいられたのか、ドリスは採用されてしまう。
前科があり家からお荷物扱いされ行くあてのないドリスにとっては、お城のようなところで住み込みで仕事を得られてラッキー・・というような導入は、普通このあとドリスが色々な失敗をしでかして事件がおこって・・・という流れになるのだろうが、そんな事は起こらない。そう、これは実話なのだ。

フィリップとドリスは絶妙な距離感で会話のキャッチボールをし、ドリスは介護は未経験だが力持ちで介助が上手、そして言われたことは真面目にするのだった。
スラム出身のいわゆる育ちのよくない若者であったとしても、人に対して偏見を持って接することのない、純粋な根アカな青年なのである。
フィリップは誰もが自分に対し障害者であるというフィルター越しに接してくることいつもストレスを感じていて、それをずっと心の奥底にしまい込み、お金で完璧なホスピタリティやケアを調達し、表面上はスマートに暮らしてきたのだった。
しかしドリスといったら・・・付き添っていく先々(全て高級なところ)で小市民丸出しの感覚のぶっ飛び発言をしてフィリップを笑わせるのだ。
オペラのステージを見ては「あの人、木?木が歌ってるよ~。」(岡本知高みたいな人が木の精の扮装で熱唱中)。

高級ギャラリーで白いキャンバスに赤い絵の具をバッとたたきつけたような抽象絵画を見ては「こんなただの鼻血ブーした絵なのにそんなに高いの?」と、ただ純粋に感じたことをフィリップに言ってしまう
フィリップは笑いながらもその鼻血ブーの絵を何万ユーロも出して買ったりするところがまた笑えるのだが、決してドリスを馬鹿にしたり、ただの道化師として身近においているわけでないのはその表情からすごく伝わってくるのだ。

ドリスは、時には軽く障害者虐待という行動や言葉でフィリップをからかったりするのだが、フィリップはきっと元々はふざけたりするのが好きな人だったのだろう、うれしそーな笑顔でドリスに答える。

そういう二人のシーンを見続けているだけで、客席にいる私達はくすくすと笑いながら、同時進行で胸の中がじわじわと暖かくなっていってしまう
後半になって、ドリスの詳しい家庭環境も明らかになり、その家族の事を理由に結局フィリップのお屋敷を去る事になるのだが、顔しか動かせないフィリップが窓越しにドリスが出て行くのを見ているシーンはホントにせつない。
友情でもないし、家族愛でもないし、相性という意味で「最強のふたり」だったという事なんだろうけれど、お互いがお互いの自分にないところをすごく好きで、近すぎない距離感で付き合っていくというのはどんなに気持のいいものなんだろう・・・と思う。
この距離感はやっぱりフランス人的かな。そして男同士というのもあるような気がするなー。
最後の最後まで、ドラマチックなことの少ない、でも何度もにっこり出来る場面の出てくる「いい映画」。何よりこれが実話だというのが素晴らしい。
そして音楽もアースウィンド&ファイヤーとクラシックが、ドリスとフィリップそのものって感じでうまく使われている。
ところでパリの職安の電話ではホントにヴィヴァルディの「春」が保留音で流れているのかしら~

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ブーゲンビリヤいま咲いてます

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コメント

私も観てきました
もう、最高に面白くて、笑いっぱなし
でも最後は二人ともカッコ良過ぎてなんか涙でちゃいました
大好きな作品に出会えて、今もハッピー気分が続いてます

投稿: acco | 2012年10月 5日 (金) 11時18分

accoさん、こんにちわ~反応が遅くてすみません
やっぱり観られたんですね
面白さとうるっとくるせつなさと、そしてかっこよさのバランスが絶妙な映画でしたね
そして時々ドリスがフィリップを連れ出したときに映し出されるレストランやカフェもとても素敵でした
私の周辺でもこの映画大好きという人が多く、実は大ヒットしてるのではないかと思うのですが

投稿: ソックスモンキー | 2012年10月11日 (木) 10時36分

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